こんにちは上領歯科医院の上領哲也です。
　お仕事をなさっておられると、どうしてもすべてのことを完璧にこなすのは難しいですね。
　お子様の虫歯などは、お仕事をもっておられるお母様みなさんの共通の悩みではないかと思います。
　さて、貴方のお子様の下の第一乳臼歯の件ですが、下の第一乳臼歯はだいたい１０歳〜１２歳ぐらいまでは必要な歯です。
　４歳４ヶ月ぐらいで抜いてしまうと、貴方のご心配どおり第二乳臼歯が前に倒れてしまい、後から生えてくる永久歯のスペースが足らなくなってしまったりします。
　また、後続永久歯の根が全然出来ていない場合、あまりにも早く抜いてしまうと永久歯がなかなか生えてこない可能性もあります。
　ですから私は少々歯茎が腫れてきても、消毒を繰り返し、たとえ虫歯で歯の頭の部分が崩壊して根だけしか残っていなくても、もう少し残しておきます。
　一般的に永久歯の根の長さの１/3ぐらいまで出来ると問題無く生えてくると言われていますので、私はそれを目安にしています。
　しかし、どうしても歯の状態が悪く抜かざるを得ない時は、抜いた後で、第二乳臼歯に金属のバンドを巻いて、そのバンドに乳犬歯までつっかえ棒のような針金をつける、保隙装置と呼ばれる装置（図をご参考ください）を入れて第二乳臼歯が倒れるのを防ぐ必要があるでしょう。
　また、乳歯の神経を抜いていても、後続永久歯の神経が無くなってしまうようなことはありませんので、ご安心下さい。
　歯の手入れは「遅すぎる」などということは決してありません。お仕事と家事、育児の両立は大変でしょうけど、頑張ってください。
　またいつでもご質問なさってくださいね。